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事業担当役員メッセージ

代表取締役執行役員専務 上地 球二

同質化する市場で勝ち抜く「独自の事業構造」と、多様な人財を束ねる「幹」

当社が沖縄で圧倒的なシェアと明確な差別化を確立できている最大の理由は、「独自の事業構造」に裏打ちされた、徹底した地域密着のオペレーションにあります。

他キャリアにとって、沖縄はあくまで「一営業拠点」です。大きな投資やプロジェクトでは、中央の判断を待つ必要があります。一方、沖縄に本社を置く当社は、お客さまの声を直接吸い上げ、即座に意思決定し、実行できます。さらに、販売チャネルは、当社の商品・サービスのみを扱う代理店さまによる「完全専売制」です。他キャリアも取り扱う全国規模の代理店とは異なり、当社の理念を深く共有する代理店さまと強固に連携しています。現場から上がったニーズに対し、営業と技術部門が一体となって即座に改善へ動けます。この「構造的な機動力」こそが、競争力の源泉です。

一方、沖縄の社会課題が複雑化するなか、今後の成長には同質的な人材だけでは対応できません。当社では金融、観光、エネルギー、行政機関など、多様なバックグラウンドをもつキャリア人材を積極的に採用しています。地域課題の解決には、こうした多様な知見が不可欠です。

しかし、多様な人財が集まっても、組織がバラバラでは成果は出せません。全員が「事業を通して沖縄経済の発展に貢献すること」という一つのベクトルに向かって力を発揮するための強靭な「幹」が、「沖縄セルラーグループ・フィロソフィ」です。創業の想いや経営哲学を明文化したこのフィロソフィを基に、月に一度、部門横断で社員が集まり、日々の業務や課題への落とし込みを議論しています。人材の流動性が高まる今、この理念の共有が、組織全体の高い実行力とブレない判断軸を生み出しています。

顧客との長期的な関係を価値へ変える

パーソナル事業で重視する戦略が、「LTVの向上」です。沖縄県内で当社のモバイル事業は高いシェアをもつため、新規のお客さまの獲得に加え、既存のお客さまを大切にすることが安定成長に極めて重要です。そのため、既存のお客さまにも、機種変更時の特典やイベントへのご招待などで還元しています。

その上で通信の枠にとどまらず、au PAYなどの決済サービス、auでんき、Pontaパスなど、生活を支える多様なサービスを展開し、お客さまのライフイベントに寄り添いながら長くご利用いただける体制を築いています。

通信以外のサービスを広げる目的は、お客さまとの接点を増やし、日常の利便性を高めることです。その象徴が「沖縄版エコシステム」の構築です。特定地域にこれほど特化したエコシステムは世界的にも珍しく、当社ならではの強みです。

具体的には、「Pontaパス」の約30万人の会員接点を活用し、沖縄有名飲食メーカーさまや県内企業のスーパー、コンビニエンスストアさまのキャンペーンや特典をお客さまへ届けています。お客さま、県内企業、当社の三者がともに価値を享受し、地域のビジネスを活性化させる「沖縄版エコシステム」を、今後も強力に推進してまいります。

「ザル経済」からの脱却と、グループリソースを結集した法人事業の拡大

今後の大きな成長の柱が、企業や自治体向けのB to B・B to G事業です。人口減少を見据え、個人向け事業だけに依存せず、新たな事業領域を広げる必要があります。

沖縄の企業や自治体は、人手不足や働き方改革といった課題に直面しています。私たちは当社プロダクトを一方的に売るのではなく、お客さまの課題を起点とする「マーケットイン」を徹底しています。KDDIのAIやクラウドなどの最新サービスを、地域の実情に合わせてカスタマイズし、最適な解決策をご提案しています。

特に自治体向け事業(B to G)では、国の予算が沖縄に下りても県外の大手企業が受注し、地域に還元されない、いわゆる「ザル経済」という構造的な課題がありました。この状況を打破するため、当社が受け皿となり、大型の公共プロジェクトを地元企業として受注できる体制を構築しました。

例えば、AIオンデマンド交通「mobi」の導入です。南風原町や北中城村で、運転手不足による二次交通の課題に対し、企画段階から自治体と緊密に連携し、住民の皆さまに必要な移動手段を提供しています。

法人・自治体事業を支えるのが、当社グループのリソースの結集です。光ファイバー網を独自に保有する「OTNet」により、モバイルから固定回線までエンドツーエンドで提供できることが強みです。さらに、AIやデジタル技術を担う「沖縄セルラーアスミュー」、人材育成、派遣業を行う「沖縄セルラーみらいクリエイト」が一体となり、最新サービスの開発からインフラ構築、アフターフォローまでを当社グループで完結できる体制を整えています。

代表取締役執行役員専務 上地 球二

巨大なポテンシャルを開花させ、地域発展と利益成長を両立する

沖縄市場の将来性で注目いただきたいのが、米軍基地返還に伴う一等地の巨大な再開発です。都市部のまとまった土地が新たに生まれ変わるという、全国でも稀有なポテンシャルを沖縄は秘めています。

現在、県内の主要企業と自治体が連携し、2050年に向けて沖縄の発展を目指す「GW2050 PROJECTS」が進行し、当社も主要企業の一社として参画しています。通信を軸に、ドローンや自動運転、データソリューションなどの最新テクノロジーを街づくりに実装し、この再開発プロジェクトを牽引してまいります。

当社の2030年ビジョンには「新たな価値でこの島の未来を豊かにする」と掲げています。沖縄の課題を解決し、この島を豊かにすることと、当社が利益を上げ持続的に成長することは両立できる目標です。地域の発展と当社の利益成長の両輪を回し、沖縄の未来を創造し続けてまいります。